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家づくりコラム

営業マンの「本音」を見抜き、いい工務店を見分ける方法

「一見すると親切そうに見える工務店」が実は危ない

家づくりを成功させるための条件は、まずお客様の幸せを心から願ってくれるような工務店と出会うことです。

ところが、残念なことに、世の中には「お客様の幸せ」をモットーに掲げながらも、実際には、自分たちの都合や利益を優先させているような工務店もあるのです。
「売りたい」という気持ちでいっぱいの工務店は、その“欲”を悟られないように、一見すると親身な態度や、豊富な知識など、信頼を得るためのテクニックを身につけています。

さらに危険なのは、自分でもそうとは気づいていないにもかかわらず、同じように「売りたい」という気持ちでいっぱいの工務店です。
こうした業者は、良かれということで、たしかにあれば便利だけれど高額な設備を勧めてきたりします。お施主様の側では、高い買い物になっているのですが、勧めてくれた親切な態度は認めざるを得ないので、あとで失敗だと思っても、しょうがないと思ってしまうようなことがあるのです。

こうした「一見親切そうだけど、実は『売りたい』工務店」を見抜くには、一体どうすればいいのでしょうか。

営業マンが自分でも気づかない「無意識」に注目しましょう

人間の心には、本人が意識している領域と、無意識の領域のふたつがあります。
この「意識」と「無意識」の領域の比率は、なんと「3:97」だといわれています。圧倒的に無意識の領域のほうが大きいのです。つまり、人間の行動には、どうしても、97%の「無意識」が表れてしまうということです。
いくら表面上をとりつくろうとしても、その行動を冷静に観察してみれば、必ずどこかに「無意識」のボロが出ているはずです。それを見抜くことが、いい工務店を見分けるためのポイントです。

たとえば、こんな宣伝文句をご覧になったことがあるのではないでしょうか。

「お客様の家を1円でも安くするために、当社ではモデルハウスを持ちません」

ほとんどの会社は、こうした意気込みにウソはついていないと思います。でも、その「1円」の重みをどこまでわかって言っているのか、ということは工務店によって差があります。
本当にお客様のために経費を削減しようと思っている工務店では、紙1枚だって無駄にしません。コピーを失敗したら当然裏面を使いますし、その際にも「この紙を捨ててしまったら、その分、お客様の家が高くなってしまうんだ」と意識するものです。そんな姿勢こそ、本当の「お客様のため」です。
「紙1枚」とか「1円」というような最小の単位の重さを知る人の金銭感覚というものは、言葉の端々にも表れるものです。
お客様がオプションの装備をつけるかどうか迷っているようなときに、

「プラス3万円で便利になるのですから、これはお得ですよ」

と営業マンが勧めてきたら、なんとなく違和感をおぼえる方が多いのではないでしょうか。
「ずいぶんと軽くいってくれるなあ。3万円って、それなりの金額じゃないのか」
そんな印象になるはずです。
こんなとき、「1円」の重みを知っている営業マンなら、

「これはたしかに便利ですけれども、値段も3万円します。大丈夫ですか?」

というように、お客様の心中を察するような言葉が出てくるはずです。
ただ「心配しているふり」なら、なんとなく薄っぺらいので、すぐわかるでしょう。
日常の行いが垣間見える、こんなちょっとした言葉に注意してみましょう。

いい工務店の営業マンを見抜ける、簡単な方法

山梨で注文住宅を建てようと思っているあなたが、工務店が開催している見学会を訪れたとします。
現地で迎えてくれた営業マンがこんな言葉をかけてきたら、どう思いますか?

「いらっしゃいませ。弊社のことはご存じでしたか?うちは断熱材が売りでして……」

正直、この営業は“アウト”です。
お客様の幸せを実現しようと思っているなら、そのお客様が何を望んでいるのかを知らなければならないはずです。
ですから、最初のひとことは、「質問」にならなければおかしいのです。

「いらっしゃいませ。何か今のお住まいでお悩みになっていることがあるのですか?」
「ええ、実はちょっと断熱性が……」
「ああ、それなら、弊社の○○はお勧めですよ」

これもダメな例です。
先ほどのものよりは、ちょっとましになりましたが、すぐに商品の説明に入ってしまいました。
売りたい気持ちが強い営業マンは、なるべく早く自社の説明に入ろうとしてしまうので、その点を注意して観察してみてください。

お客様の幸せな暮らしをイメージするためには、もっともっと多くの質問が必要になります。その営業マンが自社の説明を始める前に、どれだけ多くの質問を自分からしてくれるか。これが、いい工務店の営業マンを見抜くためのひとつの目安なのです。

「断るスキ」をつくってくれているかどうか

自然素材、太陽光発電などは、今どきの家づくりの流行です。でも、どんな商品もいいことばかりではありません。
自然素材でも無垢材なら、有害物質の心配がないかわりに、価格が高かったり、乾燥による割れなどが生じやすいというデメリットがありますし、太陽光発電には、売電収入というメリットの反面、初期費用が高く、パワーコンディショナーなどの電気機器の交換費用もかかることや、売電価格も年々下がっているといったデメリットの側面があります。
このように、商品を説明するときに、メリットだけではなく、そのデメリットもきちんと伝えているかどうか、ということも、いい営業マンを見抜くための重要なチェックポイントです。
私たちの場合などは、むしろ、最初にデメリットのほうから説明するようにしています。なぜなら、メリットについては、お客様自身がすでにご存じであることが多いからです。

大切なのは、お客様が最終的に決断をするために必要な知識を十分にもっていただくことです。ですから、迷っているお客様がいても、助言はしますが、先入観を植えつけてしまうような説明の仕方は、注意して避けるようにしています。

もうひとつ、いい営業マンの見抜き方を紹介しましょう。
その営業マンが商品の説明をするときに、「断りやすい状況」をつくってくれているかどうか、ということを見るのです。

「いろいろ考えて、やっぱり要らないと決めたんだけど、なんだか言いづらい……」

お客様がそんなふうに感じてしまったとしたら、その工務店は「売りたい」気持ちでいっぱいになっていて、断るスキをつくってくれていないということかもしれません。そんな場合は、「営業マン断る方法」という記事を参考にしてみてください。

他社の製品を頭ごなしに否定するような会社は、もってのほかです。
ときには、ろくにその商品のことを知らないのに、「ああ、あれはあまり良くないって評判ですよ」などという営業マンがいます。そんな工務店はあまり信頼できないでしょう。「売りたい」人というのは、とかく他者を否定したがるものなのです。

「現場を見たい」と言ってみる方法

いい工務店と出会うためのひとつの方法は、その会社が主催している見学会を訪れることですが、それ以外にも、建築が進行している現場を見るという方法があります。実は、最近、「進行中の現場を見てみたい」と希望されるお客様は増えているのです。
ところが、「現場を見たい」という希望を出しても、

「いやー、ちょっと今、ちょうど見ていただける現場がなくて……」

そんなふうに、工務店にかわされてしまって、希をかなえてくれない工務店もあるかもしれません。
そこで、まず最初に、「今、どのへんで建てられているのですか?」と聞るところから始めましょう。
工務店側では、多くの物件を扱っていることを印象づけようとして、「○○市と○○町、あとは○○市と……」などと教えてくれるでしょう。そこで初めて、
「では、○○市と○○町の物件を見学したいのですが」
とお願いすればいいのです。
このやり方で聞いてみて、渋るようでしたら、その工務店は残念ながら不合格です。
良心的な工務店なら、

「現場に大工さんがいるかどうかだけ確認させてください。もしいたら、今行ってくださって大丈夫です」

などと、即時に対応してくれるでしょう。

「直感」を大切にしてください

説明をひととおり聞いて、質問にもすらすらと答えてくれたし、こちらの気持ちによりそってくれている感じもあった。だから自分で納得して決めたはずなのに……何か、ひっかかるものがある。

そんな経験があるお客様が、意外とたくさんいらっしゃるようです。
その直感は、ぜひ大切にしてください。
そんなふうに感じられたとしたら、それはあなたのどこかに、まだ納得できていない部分があるからなのです。

当たり前のことですが、お客様は家づくりに関しては初心者です。専門的な知識をお持ちではないので、自分がどこに引っかかっているのかということを明らかにするのは、難しいでしょう。それをいいことに、その営業マンはあなたをうまく言いくるめているのかもしれないのです。

「もう決まったことだし、はっきりした理由もないのに、もう一度説明してくださいなんて、ちょっと言いづらいなあ……」

そんな遠慮をする必要はまったくありません。
もし本当に質問することができなかったり、再度説明を聞いても、まだモヤモヤするようだったら、セカンドオピニオンを求めて、他の工務店に聞いてみるのもいいでしょう。

お客様の直感は、意外と頼りになるものです。
家づくりの知識ももちろん大切ですが、ぜひその直感を大事にして、いい工務店を見つけてください。

営業マンの「本音」を見抜き、いい工務店を見分ける方法 まとめ

いかがでしたか。
いい工務店を見分けるためのチェックポイントとしては、

  • お客様にたくさん質問をするか?
  • デメリットもきちんと伝えてくれるか?
  • 断りやすい状況をつくってくれるか?
  • 言動に本当らしさが感じられるか?
  • あなたの「直感」は「待て」と言っていないか?

ということになります。

「お客様の幸せのために一生懸命尽くします!」
どこかで聞いたような言葉を聞いて、「どうせ建前でしょ?」と思う人はたくさんいることでしょう。
残念ながら、数多くある工務店の中には、本音と建て前を使い分けている会社も実際にあります。でも、本当に心からそのように思い、行動している工務店もたくさんあるのです。
耳ざわりのいい言葉に惑わされることなく、山梨で家を建てたいと思われるならば、ぜひ今回ご紹介した方法を使って、営業マンの本音を見抜き、あなたの夢を叶える家づくりの良きパートナーとして、信頼できる工務店を選んでください。

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